エルカセット / ELCASET EL-7

ELCASETってご存知ですか?
 
知る人ぞ知る、というか典型的な“企画倒れな規格”風のテープデッキ(おぉ死語だ!)です。
 
発売当時は中学生でしたが、どうせなら王道に、とオープンデッキの方を購入することになり、それきり忘れていました。
こんな人が多かったのでしょうか? 数年で消えてしまった製品カテゴリーです。
 
つい先だって、なぜか突然エルカセットって入手できるのか?と思い始め、例の競り場で入手してみました。
 
 
 
何しろ30年以上も前の製品です。とっくにソニータイマーが働き、グリースが固まって動きません。

ということで、早速修理開始。

 
今回修理する機種は、SONY EL-7という最上位機種です。1976年6月21日発売、定価198,000円。
ソニーからは他にEL-5 / EL-4 があり、ポータブルタイプ(デンスケ = これも死語じゃん!)の EL-D8も発売されました。
 
この機種は、ELCASET規格のフラグシップだけあって、クローズドループ・デュアルキャプスタンの機構になっています。
象徴的なテープローディング機構としてのキャプスタンアームが、グリース固化によって全く上昇しません。
 

駆動用の大きなソレノイドは元気よく「カツン!」と動作しているので、明らかにリンク機構を伴ったメカ系の故障です。

電気系の故障はやっかいな場合がありますが、メカニカルは丁寧な清掃で大抵は治るものです。